阿久沢悦子
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の対象地域が2日から広がるのを前に、全国知事会は1日、オンライン会議を開いた。都道府県境をまたぐ夏休みの旅行や移動について、「原則中止・延期」を国民に呼びかけるよう、政府に求める緊急提言をまとめた。
会議には44知事が出席した。提言では、「全国の多くの地域で『感染爆発』と言って過言でない状況」と指摘。感染力の強いデルタ株の全国的な拡散を防ぐため、お盆の帰省も含めた夏休みの移動を減らす必要があることに触れ、移動がやむをえない場合でも時期を分散し、事前にPCR検査を受けるなどの対応を訴えた。また、政府には「国民に危機感を伝え行動変容を促す強いメッセージを発出すること」を求めた。
各知事からは、急激な感染拡大に危機感を訴える声が相次いだ。飯泉嘉門会長(徳島県知事)は「緊急宣言下でも人流が減らない。政府のメッセージが国民に伝わっていない」。長野県の阿部守一知事は「国の強いメッセージを引き出す必要がある。ロックダウン(都市封鎖)的な移動制限も含め、法制度(の改正)を本気で検討してほしい」と述べた。国への提言では、新型コロナ対応の特別措置法の改正も含めた改善と、ロックダウンのような手法のあり方を検討することを求めた。
福井、宮崎、茨城の3県の知事は、「移動の多い夏休み期間に都道府県単位での感染抑制は難しい」などとして、緊急事態宣言の全国への拡大を要望した。
また国体や高校総体、全国高校野球選手権大会などを念頭に、中高生が参加する部活動の全国大会の選手や関係者へのPCR検査や抗体検査を、国の責任で実施することも提言した。(阿久沢悦子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル